「あの、江戸川君、涙…拭いてもらったハンカチ洗ってくるよ…」
「いいよ、もう乾いたよ?(ホントは舐めちゃったのにね)フルちゃんの涙も、おさまったみたいだし。ちょっと歩こうか?大丈夫歩ける?」
「(おうじさま…)あ、あのっ、電車助けてくれてっありがとう…」
「いやいや、そんな改まらなくていいよ?江戸川君ってのも他人行儀ぽいから、サティって呼んで?」
「さ…てぃ…。な、なんか恥ずかしいっ。俺も、フルって呼び捨てていいから」
(王子様とこんな風に歩いて安い出店見てるなんて、夢なら覚めなくていいよ)
「ん?そのリング気に入ったの?」
「江ど…んと、サティに、似合うよ!きっと。王冠とか、サティ王子様みたいだから…ね?」
「王子様…?」
「あっサティ綺麗だし、さっきみたいに格好良く助けてくれるし…王子様みたいだなぁっ…て、なんか気持ち悪いよね?ごめんね」
「そんな事ないよ?有難う。フルこそ…ふふ、猫みたいだね」
「ありがと。でも、嬉しいけど俺、そんなに可愛くないよ?」
「そんな事言わないで?これ、あげる」
「あ、りがとう」
(さっき俺が見てた猫をモチーフにしたリングだ…サティ、見てたのかなぁ…?)
「ソレ、お守り。フルの事護ってくれるよきっと。王子パワーで…なんて、ね。で、フルがそう言ってくれたから、俺も王冠リング買っちゃおうかな?」
「王子パワー有り難く頂戴しまっす!!うん、絶対似合うよ。」
(俺、憧れの王子様と並んで歩いてしかもプレゼントとか…幸せすぎっっ。)

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